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適応タイプ5「思考型」・責任感が強く良心的で理想の自分を追求し頑張り続ける人


かおり
こんにちは、心理カウンセラーの柘植つげかおりです。

人は生まれると様々なものを身につけて外の世界に適応していきますが、その適応の仕方には【6つのタイプ】があります。そのタイプを1つずつ紹介していきます。
タイプごとに生きづらさを感じた時に、よりよく生きるためのヒントを載せています。
自分や他者のことを知ることで、心に寄り添える場面が増えますように。

適応タイプ「思考型」の特徴とは

順応性があり責任感が強い

物事を達成して認められたい気持ちが強い

きちんとしたい完璧主義

言う事とやる事が一致していて信頼感がある

まず考える、思考で処理する

非常に良心的で律儀

計画を立ててその通りに進めたい

人に任せるより自分でやりたい

何もしないことが苦手、休むと罪悪感でいっぱい

じっくり自分の感情を感じるのは苦手

他人から見た印象

「空気が読める、頼りになるしっかり者。なんとかしてくれる感じがする」

「勉強、仕事に熱心。いつも忙しそうにしている」

「若干堅苦しいところも」

「本当にすごいと思って褒めても『まだ未熟』『大したことない』と謙遜して受け取ってもらえない」

人との関わり方

・一対一か少人数での関係が落ち着く

・仲間内では積極的に関わる

・「考えていること」を話し合いたい

・意味のないおしゃべりをするより、有意義な時間を過ごしたい

・人に頼らず自分でやる

・忙しすぎて人を遠ざけてしまっていることがある

思考型の人が生きづらさを感じた時によりよく生きるためのヒント

 

「きちんと」を大切にしている

思考型の人は責任感が強く、非常に仕事熱心です。

周りの人に頼りにされますし、受け答えが明確で落ち着いた話し方をするので、理性的な印象を与えます。

思考型の人は物事に「思考」で反応、まず考えます。

何かをするときには考えて計画を立てますし、行動する時もどのようにすべきか考えて行動します。

思考型の人にとって「きちんと」物事を行うことは大切なことなのです。

責任はきちんと果たすべきだと思っていますし、きちんと物事が行えるように有能でなければならないと思っています。

なので、その点を認められると喜びを感じます。

ただし、責任を背負いすぎて忙しくなり過ぎ、心身ともに疲れ切ってしまうことがあります。

 

完全を目指して頑張ることは良いことだと信じている

思考型の人は、まず頭で考えるため、自分の心の不調に気づきにくいところがあります。

ストレスを感じても、「これでバテるなんて甘えだ」「人生は修行」などと考え、自分がどう感じているかにはあまり注目しません。

「こうしたい」「ああしたい」という気持ちよりも、「こうすべき」「ああすべき」が優先するのです。

 

しかし「すべきこと」ができない時もあります。

そうすると焦って、「もっとちゃんとやらねば!」と自分を追い立てるようになります。

完全にできなければ気持ちが落ち着かない完璧主義です。

他の人から見ると、あまりに気を張って頑張りすぎているように見えるので、「たまにはゆっくり休んだら?」「手伝おうか?」と言いたくなるのですが、

思考型の人はそう言われると、自己管理能力がない、自分の代わりは誰でもいい、と思われているように感じ、逆にショックを受けることもあります。

 

思考型の人は、休んだり、誰かに任せることが苦手です。

やるべきことをやり遂げる、テキパキと片付ける、優秀な自分が理想です。

そのため、疲れていても全部自分でやらないと気が済まないし、細かいところまで抱え込みます。

職場では仕事が進まない部下の分も背負って、残業、持ち帰りで仕事、休日出勤、ということもあるかもしれません。

口では、なんでこんなに忙しいんだと言いますが、自らそういう状況を招いています。

 

常に「もっともっと」と頑張っていて、そうして頑張ることが「最善だ」と信じています。

そして理想に足りない自分を、これではだめだ、頑張りが足りない、と心の中で罰します。

 

幼いころから達成を求められてきた

このように、完全をめざして頑張り過ぎるのは、子どもの頃に周囲とうまくやっていくために身につけた適応の仕方です。

思考型の人は幼い頃から親(養育者)から強く期待をかけられてきました。

例えば、成績が優秀であること、目標を立てやり遂げること、模範的に行動することなど、

家庭により親が望むことはそれぞれですが、期待に応えるように行動することを望まれました。

達成や責任を求められ、頑張ってそれに応えてきたのですよね。

期待に高いレベルで応えるためには、ありのままの子どもらしい自分でいるよりも、早く成長することが必要でした。

そのため、子どもながらにこんな決断をしました。

 

「あなたの期待通りに物事をきちんとこなし、人として有能であるように頑張りますよ。

そうしたら私を愛してくれますよね。」

今まで、少しの情報からでもたくさんのことを推測して、求められる事を必死に頑張ってきました。

おかげで社会で成功につながるような、様々な力を身につけることができました。

一方、期待に添う立派な子になるためには、子どもらしい自然な欲求の多くをあきらめなくてはいけなかったでしょう。

それらの欲求が満たされない悲しみは、心の奥底に封印されました。

また、順応性がある反面、自分の欲求と他人の期待の折り合いのつけ方を学ぶ機会がなかったので、なんでも背負い込むようになり、いつの間にか多くの責任を引き受けるようになりました。

 

自分に対して厳しすぎる批判家

いつもきちんと、効率よく物事をこなしていく思考型の人は、人にも同じようなことを望みます。

いい加減、だらだら、無計画、ちゃんとしない人には腹が立ちます。

けれども自分に対して厳しいので、他人を批判する自分を批判することもあります。

また、自分の中に否定的な考えが浮かぶと、そんな自分が罪深いように感じます。

まるで心の中に厳格は「親」がいて、あるべき自分からズレていないか、いつも見張られているかのようです。

そのため思考型の人はリラックスすることが苦手です。

人前でだらしなくしたり、他の人が働いているのに、自分だけ何もしないことは出来ません。

暇を持て余していると、悪いことをしているような気持ちになり、居心地の悪さを感じます。

自分はやるべきことをきちんとやるから人から認められるのであって、そうでない自分は人に受け入れてもらえないだろうと思っています。

 

完全を目指して不安になる

しかし、きちんとした自分でいようと完全を目指すことが、かえって自分は完全でないと自分自身を否定することになっています。

 

模範的で完璧な素晴らしい人、そうでなければだめな人。

そして素晴らしい人を目指す自分は、道半ばでダメな人。

いくら上へ登っても、登った分だけ先が見え、自分の未熟さを知ります。

何か目標を達成しても、また次に達成すべき目標が見えます。

いつまでたっても、頂上には至らず不安になりますが、その不安は自分が生み出しているものです。

全てにおいて完全に成し遂げたら、その時はようやく幸せになって人生を楽しめる、と思って一生懸命に苦しい頑張りを続けますが、

そのやり方を続ける限り、自分の「ない」に目が行き、不安を感じ続けることになります。

 

思考型の人は今までものすごく頑張ってきました。

誰よりも責任を果たし、周りのためを思い、自分を犠牲にして、役割を果たしてきました。

いい父親、いい母親、いい子ども、いい上司、いい同僚、いい恋人…。

思考型の人のおかげで、多くのことが安定し、守られ、滞りなく進んで行きます。

「あなたのおかげ、心から感謝しています」

そう感じている人はたくさんいるでしょう。

それはあなたが「やったこと」だけに向けられているわけではありません。

 

あなた自身も、例えば母親を想う時、

母親としての振る舞いがパーフェクトだから母親を愛しているわけではないことを、

子どもが、自分の期待通りに行動するから愛おしいわけではないことを、知っています。

その人が「いてくれること」で自分の気持ちが温かくなることを感じているはずです。

 

あなたも、あなたがいてくれることが、すでに誰かの喜びや支えになっています。

完璧でなくても、出来ないことがあっても、それで人が離れていくわけではないのです。

 

思考に感情をのせる

今まではきちんと物事を行うことに重点を置き、思考で反応してきましたが、一緒に感情を使うようにするとより心豊かな毎日を送ることが出来るようになります。

 

思考型の人はよく考えるのですが、それが解決に至らず、くよくよと悩み続けることがあります。

それは、全体を考えているからで、自分の感情や欲求を考慮に入れると、考えに深みとパワーが出て、直接的に目の前の問題を解決することが出来るようになります。

 

また、責任を背負いすぎたり、オーバーワークで自分ばかりが大変なことにならないよう、自分を守るために「怒り」の感情を「上手に」使うことは有効です。

子どもの頃、反抗していいと学ばなかったかもしれませんが、理不尽なことを断ってもいいのです。

 

いつも義務と責任と罪悪感でいっぱいで、

追い立てられるようにいくら頑張っても、心の底からは満たされない感覚があるかもしれません。

 

それらの感覚は、いい子でいなければ愛してもらえない、という深い悲しみにベールをかけるために、存在しています。

本当はそのままの自分を愛してほしかった、

自分が一番愛情を必要としていた時に、期待に応えることで、親へ愛情を与えてきたんですよね。

悲しみを十分に感じる事や、今自分が感じていることを大切にすることで、心から充実し満たされる毎日を過ごせるようになることを願っています。

 

思考型の人に必要なのは「楽しむこと」です。

遊んだり、一緒にいる人の「存在」を楽しんだり、わざとちょっと間違えておもしろがったり。

今までは多くの時間を「完璧にすること」に費やしてきましたが、「楽しみを味わう」時間を増やすことで、心のゆとりと人とのつながりが増えていきます。

今まで、大小含めたくさんのことをしてきました。

それらを受け止めて、味わって、楽しんで、

あなたの存在のユニークさを感じてみてはどうでしょうか。

自分の理想の中でしか存在しない完全さを追い求めるだけでなく、

現実にある成長と進歩を受け止め、喜べるようになれば、

「ほどほどの完全さ」を楽しみ、自分で自分を不安にして苦しめるループから解放されます。

 

『自分の存在価値に気づき、楽しむことに時間を使うことで、心から充実して発展する人へ。』

 

かおり
あなたの幸せを心から応援しています。

 

6つの適応型タイプ

※これは人格適応論による6つの適応型です。人格適応論はポール・ウェア、テイビ・ケラーによって開発され、ヴァン・ジョインズによって発展した理論です。ここでは、専門用語を使わずわかりやすく表現しています。参考文献「交流分析による人格適応論」(誠信書房2007)

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