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適応タイプ6「感情型」人の気持ちを気遣う共感的で感情表現豊かな人

2021-04-06

人の気持ちを気遣い、豊かな感情を持つ「感情型」の心の動きを表現したイラスト

人は生まれると様々なものを身につけて外の世界に適応していきますが、その適応の仕方には【6つのタイプ】があります。そのタイプを1つずつ紹介していきます。
タイプごとに生きづらさを感じた時に、よりよく生きるためのヒントを載せています。
自分や他者のことを知ることで、心に寄り添える場面が増えますように。

適応タイプ「感情型」の特徴とは

人が好き、社交的で楽しい

人に喜んでもらいたい

人から注目されたい

人の気持ちに敏感

人をもてなすことがうまい

共感的でやさしい

一人はさみしい、誰かにかまってほしい

いつも笑顔で愛嬌がある

わがままで子どもっぽいところがある

感情の起伏が激しい

 

他人から見た印象

「人にかかわるのが好きで一緒にいると楽しいし元気がでる」

「いつも笑顔で気遣ってくれる」

「困って泣きそうになっていると思わず助けたくなる」

「ちょっとしたことで興奮したりショックを受けたり、振り回されるとしんどいこともある」

 

人との関わり方

・人と一緒にいるのが好きでグループの中心にいる

・愛そうがよく、人に気に入られるように振る舞う

・情にあつい

・素直に感情を見せるので周りが放っておけなくなる

・悪気なく思わせぶりな行動をするので相手が勘違いすることがある

・依存的で人との距離が近すぎることがある

 

感情型の人が生きづらさを感じた時によりよく生きるためのヒント

相手の気持ちを第一に考えすぎてしまうことも

感情型の人はやさしくて明るく人に接することができる人。周りの人を気にかけ、自然と笑顔で話しかけられるあなたのそばには、あたたかい空気が流れています。

自分のひと工夫で誰かの顔がほころぶと、それが一番うれしい。

そんな風に生きてきた人です。

そして「自分も」人から気にかけてもらい、やさしくされたいと思っています。

「注目されている」ということが嬉しいんですよね。

相手が喜んでくれている時はよいのですが、思ったリアクションがない、ちょっと冷たく見える態度をとられると、傷つくことも。

「私が不愉快にさせてしまった?」と不安な気持ちになりがちです。

それだけ人の気持ちが大切だし、敏感に反応することができるのです。

 

「人を喜ばせる私」が、愛される私だったから

感情型の人は、子どもの頃、親(養育者)から人を楽しませることや、喜ばれたりすることで愛されると信じてきました。

たとえば、かわいらしい見た目やしぐさ、やさしい振る舞い、相手が笑顔になること…。

おかげで感情型の人は、愛情豊かで、ささいな人の気持ちにも反応します。

そうしていれば親から認められ、かわいがられ、人を喜ばせれば愛情が得られると学びました。

そんな経験のなかで、心の奥にこんな決意が芽生えていきます。
 

「あなたを喜ばせること、あなたが幸せに感じることは何でもするね。そうしたら私のこと心から愛してくれるよね?」

大人になった今でも、人に喜んでもらうことが、心の糧です。

でも、人に喜んでもらうことを心の糧にしているからこそ、相手の反応が薄いと不安になるようになりました。

また、人がいい気持ちでいることに多くのエネルギーを注ぐので、自分のことは後回しにしてしまいます。


子どもの頃から心に刻まれてきた「他人が喜ぶことをしようね」というメッセージ。

これは、プラスの気持ちが込められたメッセージです。

でも、他人の喜びを過度に強調されるということは、「自分はそれほど重要でない」というメッセージにもなりえます。

・人のために行動し「ありがとう」「助かったよ」と言われることが重要。

・誰からも好かれる存在でいることが重要。

・それに比べて自分なりの考えや意思、持っている能力などはたいして重要でない。

「人のためになることが自分のいる意味で、人から愛されなければ自分の居場所はないんだ。」

そんな思いが感情型の人の心に根付き、そしてそれは大きな悲しみになりました。

 

「見てほしい」「気づいてほしい」そんな気持ちが暴走するとき

感情型の人は、心がとてもよく動きます。

うれしいときは満面の笑顔で、悲しいときは涙がこぼれる。

その豊かさは、あなたの魅力のひとつです。

でも、ストレスがかかると、その感受性が揺れすぎてしまうこともあります。


たとえば、みんなに喜んでもらえたらと投稿したSNSに「いいね」がつかない。

それだけで、「私は嫌われたのかな…?」と心がざわつき始めて、「もしかして私、もう誰にも必要とされてないのかも」なんて、気づけば感情の波にのみ込まれていることもあります。


頭では「そんなわけない」と思っても、そのときの“感覚”がすべてを覆い尽くしてしまうんです。

まるで、現実のすべてがその感情の色に塗り替えられたように。

そんなとき、無意識に「誰か、気づいて」と心が叫んでいて、気づいてもらえるまで、感情がどんどん高まってしまうことも。

その波が大きくなりすぎると、自分も苦しくて、まわりも困ってしまうことがあるかもしれません。

でも、それは人を困らせているわけではなくて、「わかってほしい」と強く願っている。

その一途さが、うまく言葉にならずに感情になってあふれただけなんです。

 

「注目=愛」と信じてきた心

感情型の人にとって、誰かに気にかけてもらうことは、ただの関心ではなく「愛そのもの」に感じられることがあります。

だから、自分も相手をよく見て、やさしく気を配り、おたがいを思いやる関係性を大切にしようとするのです。


けれど、そこには難しさもあり、気づけば他人との距離がとても近くなりすぎていたり、境界線があいまいになって、疲れてしまうことがあります。

「ちょっとしんどいな」と思っても、感情型の人は、相手に怒りをぶつけたり、距離をとることがなかなかできません。


代わりに選ぶのは、“離れる”こと。

ふとその場から姿を消したり、別の人間関係に身を移したり、もっと自分のことを大切にしてくれる人がいるかもしれない…、そんな希望にすがるように、そちらへ向かっていくのです。

だから、仕事を変える、人づきあいを変える、そんな形で関係を断ち切ることも、感情型の人にとっては「自分を守る手段」だったりします。


ただ、それが繰り返されると、本当の自分の気持ちにちゃんと向き合う時間が取れなくなり、「わたしはどう感じていたのか」という問いが、心の奥に未消化なまま残ってしまいます。


「誰かがどうにかしてくれる」のを待つのではなく、自分自身がまず「今、何が苦しいのか」を見つけること。

それが、自分と人との距離感を穏やかに調整していく最初の一歩になります。

 

「あの人の気分」で、あなたの価値は決まらない

感情型の人は、いつもまわりの気持ちにやさしく寄り添いながら生きています。

誰かのちょっとした表情の変化に気づき、気まずい空気にはそっと笑顔を添える。

そんな気遣いが、たくさんの人の心をあたためています。

でもその一方で、どんなに楽しい時間を過ごしたあとでも、「ちゃんと伝わったかな」「もしかして、迷惑だった?」と、自分の中で「反省会」が始まってしまうこともありませんか?


それはきっと、こんなふうに思っているから。

「相手の機嫌は、自分がどうにかするべきこと」と。


でも考えてみてください。

あなたに、相手の気分を完璧に操る“魔法”なんて、あるでしょうか?

「相手がどんな気持ちでいるか」で、自分の良し悪しを決めるようなやり方は、あなたをどんどん疲れさせてしまいます。


もちろん、人を思う気持ちは尊いもの。

でも、相手の気持ちのすべてを自分の責任にしてしまうのは、少し厳しすぎるのかもしれません。

思いやりとは、「相手の感情をコントロールすること」ではなく、「自分の中にあるあたたかさをただ発揮すること」。

それを受け取るかどうかは、相手の自由であって、その選択にあなたが責任を負う必要はありません。


あなたが相手を思って手渡した、あたたかい気持ちや言葉。

あなたが、相手のことを思って行動する、言う。

そこまでで十分。

相手への自然な気遣い。

それで十分です。

結果や反応がどうであれ、そのやさしさの価値は、けっして変わりません。

 

思考の力は、感情型の人の“隠れた宝”

人は、自分の力をのびのびと発揮しているとき、「私らしく生きている」という感覚を持ちます。

そして、課題を乗り越える力も自然と湧いてきます。

感情型の人が生きづらさを感じやすいときは、「思考」の力を十分に使えていないとき。

感情が先にあふれてしまって、事実が見えなくなったり、本来持っている自分の力さえも見失ってしまう。


これには、子どもの頃から「かわいらしいあなた」「楽しいあなた」でいてほしいと、周囲から望まれてきた経緯があります。

そうなると

・自分らしい考えを表に出すこと
・自分の力で何かを成し遂げること

そんな姿に対して、誰かが強い関心を持ってくれる機会が少なかったのかもしれません。

そしてもし、あなたがしっかりと自立してしまったら、誰も気にかけてくれなくなるかもしれない、そんな怖さも、心のどこかにあったかもしれませんね。


そういった背景から、何となく自分に対する自信や有能さを感じられなかったかもしれませんし、今まではそういう「自分のパワー」にスポットが当たる機会がなかったかもしれません。

けれども、それは「ない」のではなくて、「ある」けれど使われなかっただけなんです。

「愛される存在」だけでなく、「力を持つ自分」を生きる

そこに力を注ぐには、まず「思考」を使う事です。

感情で反応し、どうしていいかわからなくなってしまうのではなくて、状況を見る。

そして、自分の感じていることを、これは一体どういう感覚なのか、この気持ちをじっくり感じてみることです。


嫌な気持ちになったとき、相手の機嫌を取るか、その場を離れるか、それしか選べないように感じることもあるかもしれません。

でも、ほかにも選択肢はあります。

それは、自分の感情を理解して、相手とすり合わせていくこと

それは「自分を大切にしながら、人と関わっていく力」です。


愛らしさや共感力は、あなたの素晴らしいギフト。

そして、そこに「思考」という力をかけ合わせると、あなたは、自分の軸で自分をOKにできる人になっていきます。

他人の期待に合わせて消耗するのではなく、自分で自分の価値を思い出せるようになる。


依存的ではなく、自立。

でもその自立は、冷たい距離ではなく、お互いを尊重しながら、つながるやさしい在り方。

あなたの人生は、他人のために何かを差し出して認められるための舞台ではありません。

あなた自身が、主人公として歩んでいくステージなんです。

 

あなたの幸せを心から応援しています。

6つの適応型タイプ

※これは人格適応論による6つの適応型です。人格適応論はポール・ウェア、テイビ・ケラーによって開発され、ヴァン・ジョインズによって発展した理論です。ここでは、専門用語を使わずわかりやすく表現しています。参考文献「交流分析による人格適応論」(誠信書房2007)

 


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柘植かおり|プロフィール

「自分らしく生きたい」と願うあなたへ。心理カウンセラーの柘植かおりです。幼い頃から自己否定に苦しみ、自分じゃない誰かになろうとしていた過去。そんな私が心理学と向き合い、「私」を取り戻すまでの道のり、そしてカウンセラーとして、あなたが心の奥にある本当の願いを叶えるお手伝いをしたいという想いをお伝えします。生きづらさや自己否定は、あなたの深い愛の証。温かく、そして実践的に、あなたが自分らしく根を張り、この人生を心からの喜びで満たせるようサポートいたします。

 

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