こんにちは、柘植かおりです。
「成長しようとするのは向上心があって立派なこと、努力しない人間は怠惰でよくない」
一般的にそのように評価される場面も多いですよね。
けれども、この良いとされる「成長」や「向上」への強いこだわりが自分を苦しめていることがあります。
・常に目標や将来のビジョンに追われていてしんどい
・何もしていないと焦る
・とにかく知識・情報を入れていないと不安
・自己成長に努める人は素晴らしい人、自分もそちら側のステージから脱落したくない
・足場を固めていないと自信がもてない(ポジション、学歴、資格など)
・性格・マインド、人としての不完全さを見られると恥を感じる
今回は、このように成長が重荷と感じる方へ向けて書いていきます。
カウンセリングでも、「成長しないければいけない」という話題はたびたび登場します。
それも当然のことで、私たちは子どもの頃から、出来るようになることは素晴らしいこと、成長は喜ばしいこと、成長していくのが普通だ、という価値観の中で生きてきています。
出来ないと「努力が足りない」と怒られたり、がっかりされたり、「ダメな子だ」と烙印を押されたことがある人もいるでしょう。
成長と承認がセットになっていたんですよね。
人は何もしないと、止まる、遅れる、退化する
休む、努力しないことは罪である
成長しないと賞賛されないんだと重く感じる場面が多い人ほど、そのように考えるようになるのも、自然な流れです。
だから、成長していないと怖くなります。
みんなから取り残されてしまう感じがしたり、劣等感があらわになってしまう感じがしたり、すごい自分でいないと人前で堂々と出来ない感じがしたり。
「成長しなくてはいけない」気持ちのベースにあるのは「怖れの気持ち」。
怖れの気持ちが大きいのは、自分には何か足りないと思っていたり、そのままの自分ではだめと思っているからで。
だから、能力や、スキルや、実績や、そういったものを得ることで、人として一人前になろうと努力するパターンを選ぶ、ということがあるのです。
その場合、能力やスキルや実績は、本当にほしいものではなかったりします。
本当に欲しいのは、自分は愛される存在なんだという確信です。
そのままの自分では愛される確信はないけれど、成長に取り組んでいる自分であれば、認められるし愛されるかもと思えるのです。
私自身、この成長に対する執着が強くて、苦しい時期がありました。
それについて心を掘り下げしていった時に、気づいたのは、
本当は、親や自分の大切な人たちから、この世界で生きてていいよ、という証明書がほしかったんだ、ということ。
「すごいね」「えらいね」「自慢の子だ」「大好きだよ」
認められたかったし、愛されたかったし、独りぼっちにはなりたくなかった。
だから一生懸命頑張ってきた。
このままの自分を認めてほしい気持ちと、誰かの喜びになりたい気持ちがありました。
あなたはどうでしょうか?
そして今。
終わりない成長を目指すことが苦痛になっているのなら、足りないものを補うために頑張って色々なものを手に入れる、そんな人生のフェーズを変えていきたいという、心からのサインかもしれません。
どこまで求めても結局は心からは満足できない世界、上には上がいて、自分と人でどっちが上か下かの世界、
そういう基準の世界観が今の自分に合わなくなったり、疲れてしまったのかもしれませんね。
もちろん、今まで努力してきたからこそ手に入ったものもたくさんあって、この過程は決して無駄ではないし、必要でとても貴重な経験だと思います。
そして、人はシフトしていきます。
本音ではもう嫌だと思っていると、ある意味ちゃんと、ネガティブな気持ちになったり、具合が悪くなったりトラブルが起きたりします。
そういう方は、どうぞ自分の本音を見直す機会にしてみてください。
でも成長をやめたらすごく怠惰な人間になってしまうのでは?
わかります。
「人は何もしないと止まる、遅れる、退化する」という世界にいると、それが真実に感じますし、そう見えます。
自分は不足している「ない」ベースの世界。
でもそれが、過去の経験からくる思い込みだったことに気が付いていけると、見え方、感じ方は変わっていきます。
実は、自分は十分「ある」し「持っている」。
その世界では、「楽しく生きているだけで成長する」があり得ます。
「ねばならぬ」ではなく、自分の内側の自然な成長欲に従って、目の前のことを楽しんで、自分がいいと思うことをして、居心地がいいなぁと思う人たちと過ごして。
植物が栄養たっぷりの大地で、のびのび大きく育つように、心の栄養いっぱいの状態で、「私」として生まれた種が、大きく花開かないわけがありません。
あなたにとっての栄養は何でしょう。
まず、自分の「ない」にフォーカスして、それが自分の全てだと自分を追い込むことではないでしょう。
自分の「ある」に気が付くこと、自分をやさしく受容すること。
今のままの自分で十分人とつながっていけることを確認すること。
もう、人から認められるような成長をしてもしなくてもどっちでもいい、とそんな風に思ったら、それも成長です。
出来る人でなくても、上手でなくても、わからなくても、頼りなくても、遅くても、しっかりしてなくても、間違っても、
あなたは愛されます。
それにNGを出しているのは自分だけ。
周りを見てみてください。お手本になる人はたくさんいますよ。
世界は広い、案外やさしい。
そして人間の味わいは深いのです。
あなたの幸せを心から応援しています。
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