
人は生まれると様々なものを身につけて外の世界に適応していきますが、その適応の仕方には【6つのタイプ】があります。そのタイプを1つずつ紹介していきます。
タイプごとに生きづらさを感じた時に、よりよく生きるためのヒントを載せています。
自分や他者のことを知ることで、心に寄り添える場面が増えますように。
適応タイプ「反応型」の特徴とは
自分が楽しい!と思うことが大事
特に好きなことには夢中になる
忠実で粘り強い
何でも楽しく自由にやりたい
人にやれと言われると、ますますやりたくなくなる
好きか嫌いがはっきりしている
直感が鋭く、ピンときたりおかしなところにすぐ気づく
子どものような元気さを持っている
嫌なことを先延ばしにするくせがある
どっちがいいかと聞かれると、決められなくて悩む

他人から見た印象
「陽気で楽しい、誠実な友だち」
「興味のあることに夢中になる頑張り屋さん」
「ストレスがたまると不満や愚痴がすごい」
「自分の思い通りにならないと子どものようにすねる」
人との関わり方
・大きなグループの一員でいるのが好き
・自由にさせてもらうと居心地がいい
・楽しく雑談して時間を過ごしたい
・上から目線で言われると反抗したくなる
・問題が起きた時は誰かに解決してほしいと思う
・ほしいものは匂わせて人に何とかしてもらおうとする
反応型の人が生きづらさを感じた時によりよく生きるためのヒント
束縛や命令に、なぜこんなに反応してしまうの?
反応型の人は、陽気でユーモアがあり、まわりをパッと明るくするような魅力を持っています。
そして、何かに出会ったとき、「これ、好き」「これはイヤ」と、直感的に反応する力が強いタイプ。
好きなことにはとことん夢中になれて、びっくりするくらいの粘り強さもあります。
でもその一方で、命令されたり、管理されたり、自由を奪われるような感覚にはとても敏感です。
「やってね」と言われると、なぜか急にやる気がしぼんでしまったり、「こうすべき」と言われると、反発したくなったり。
たとえば、周囲からすると「そんなに反発すること?」と思うようなことにも、反応型の人の心の中では、見えない「反抗スイッチ」がカチッと入ることがあります。
そして、どうしたらいいか分からなくなって手が止まってしまったり、やる気が続かなくなって物事が進まなくなる…。
そうしてストレスがたまると、「どうして私ばっかり!」と、つい不満が口から出てしまうことも。
周囲からはわがままや怠けと誤解されることもありますが、これには、心の奥にある、ある「葛藤」が影響しています。。
「やってるのに、できない」…その心の中では
「頑張っているのに、うまくいかない」
「努力しているのに、どうしても実らない」
反応型の人がよく感じる、この「報われなさ」の裏には、実は心の中にある葛藤が隠れています。
この葛藤は、子どもの頃に親との関係の中で身につけた、生きるための適応スタイルからきています。
親から「こうしろ、ああしろ」と厳しくコントロールされていたとき、子どもだった私たちは、「言うことを聞いて努力していれば、愛される」と学びました。
でも…それだけでは苦しかったんです。
本当は、「自分の好きなようにしたい」「自由でいたい」という気持ちも、確かにあった。
だから心の中では、こんなふうに揺れていました。
・言われた通りに努力していれば認められる。
→ でも、自分の自由がなくて苦痛。
・好きにしたい。自由でいたい。
→ でも、愛されなくなったら怖い。
この2つの思いが心の中でぶつかって、ある間の「落としどころ」を見つけました。
「言うことは聞くし、努力もするよ。…でも、思った通りの結果は出してあげないけどね。」

こうすれば、親に直接的に反抗はせず、自分の気持ちを完全に無視したわけでもない。
表向きは「いい子」としてやっているように見えて、内側では「でも全部は言うこときかないから」という、密かな抵抗を保ち続けられる。
そうして反応型の人は、愛されることと自由でいることの、せめぎあいの中で生きてきたのです。
「私の気持ちを、全部は諦めたくなかった」のです。
がんばってるのに、前に進めない理由
この心の中の葛藤を抱えたまま大人になった反応型の人は、何かにつけて、思ったように物事が進まない…と感じることがあります。
たとえば、
「やるべきことがあるのに、なぜか手がつかない」
「やろうとしても、気が進まなくて後回しになる」
「決めたのに、ずっと悩んで動き出せない」
本人の中では、やろうという意欲も努力もある。けれども、いざとなると進めなくなってしまう。
この背景にも、あの「密かな反抗」が関係しているのです。
頭では「やらなきゃ」と思っていても、心のどこかで「言われたとおりには動かないぞ」という声が聞こえている。
もしくは、「自分の欲求を通すためには、誰かと戦わなきゃ」と思い込んでいて、ぶつかることを避けるあまり、動けなくなっている。
その結果、「できない自分」を責めながら、「私は一体、何をやっているんだろう…」と苦しくなる。
しかも、そんな中でも努力は続けているから、「ちゃんと頑張ってるのに、どうしてうまくいかないの?」というもどかしさだけがどんどん膨らんでいきます。
反応型の人は、粘り強さや誠実さも持っている人。
だからこそ、結果が出ないことへの焦りや不安も大きくなってしまうのです。
でも「努力してるのにうまくいかない」のは、あなたが足りないせいじゃない。
・あなたの中にある「努力する愛される子でいたい」でも「制限されたくない、自由でいたい」
その二重構造が、心のアクセルとブレーキを同時に踏んでしまっていたんです。
そして、努力していること自体に「意味がある」「認められる」という満足感があるために、「結果を出す」ことより「努力してる状態」を続けることが目的になってしまう場合もあります。
それに気づけていないと、「こんなに頑張ってるのに…」という怒りや不満が外側に向かってしまうのも、無理のないことなんですね。
反抗心をもっていたことで守られたもの
こうして反応型の人の適応の仕方を見ていくと、不満がたまり、あまり良いのものでないように思うかもしれません。
けれども、親があれこれ管理して、それに子どもが全面的に従う、もしそうであれば、子どもはうまく自立できない可能性もありました。
「最終的には親の思い通りにならない」、というやり方のおかげで、完全に自立が妨げられるということはなかったのです。
それに、この方法は「やろうと努力はする」ので、その過程でたくさん親の気をひきつけることが出来ました。
子どもにとってそれはとても重要なことです。
さらに、最終的に結果を出さないことで、親の思った通りにはならないという仕返しまでできたのです。
少しでも自分の想いを実現できたことで、完全につぶされることなく、心は守られてきました。
それに真正面から反抗していたら、怒られたり嫌われたり、もっと傷つくことが多かったかもしれません。
だから、このやり方は、子どもが「自分を守るために編み出したその時できる最善の方法」だったのです。
イライラの奥にある、本当の気持ち
そして、反応型の人が良く感じる、イライラや不満。これにもちゃんと、役割があります。
子どもの頃、思ったようにできないことは「心の傷つき」を伴います。
それは単なるわがままを聞いてもらえない、ということではありません。
言うとおりにすると愛される、そうでなければ愛されないという、「条件付きの愛情」。
ありのままの自分は受け止めてもらえないという傷つきです。
でも、これをじっくり感じてしまうと、自分の根っこを否定することになりかねません。
だから、人や状況のせいにして、その痛みをカバーしているのです。
イライラや不満にはちゃんと役割があるのですね。
そして、心の中にはいつも「このままの自分では、受け入れてもらえない」 という思いがあります。
だから、いつもどこかでちょっとした駆け引きをしてしまいます。
すぐには頼まず、遠回しに察してもらおうとしたり、不満をためて、ため息や態度で気づいてもらおうとしたり。
本当はもっとシンプルに言えばいいのに、言えない、怖い、だからまわりくどくなる、嫌みっぽくなる。
でも、そのやり方では、欲しいものが手に入らないことも多くて、「また分かってもらえなかった」と、寂しさを重ねてしまいます。
けれど
「こうしてほしいな」
「私は、こう思ってる」
そんなふうに、自分の願いや気持ちをまっすぐ伝えることで、人との関係が、驚くほどシンプルで心地よいものに変わることがあります。
相手に「おかしい、間違ってる!」と不満が爆発する前に、ちゃんと自分の中の「こうしたい」という気持ちに耳を傾けてみる。
それを、やさしい言葉で伝えてみる。
すると、気づくことがあるかもしれません。
「こんなふうに素直に言っても、ちゃんと受け止めてもらえるんだ」
「言ってよかった。思ってたより、怖くなかった」って。
あなたが、相手に心を開いてほしいと思っているように、相手もまた、あなたが素直に本音を見せてくれることを、待っているのかもしれません。
そのままの「したい」と「やだ」を、まっすぐ言っても大丈夫。
反応型の人は、ずっと、「誰かの期待」と「自分の気持ち」の間で揺れながら、遠回しに、間接的に、精一杯のやり方で欲しいものを求めてきました。
でも、「こうしたい」も、「それは嫌だ」も、あなたの中にちゃんと存在していい、大切な感情です。
反応型の人は、本来とても感受性が豊かで、「おかしいな」と感じることを、いち早く察知する力があります。
だからこそ、不満を抱えがちで、しかもそれを難しく考えてしまうところがあります。
けれど、あなたにはもっとシンプルな方法がある。
それは、「本音をまっすぐ伝える」という選択肢。
それは、かつて怖くてできなかったことかもしれません。
でも今は、自分の気持ちをまっすぐ伝える力と、協力する関係を築ける力がある。
お願いしてもいい。
断ってもいい。
そして、誰かにちゃんと助けてもらってもいいんです。
「反抗」ではなく、「自己表現」という言葉で。
「遠回しなサイン」ではなく、「まっすぐな声」で。
あなたの願いをあなたらしい言葉で、伝えてみてください。
その瞬間から、あなたのまわりにある人間関係が、少しずつ、やさしくあたたかいものへと変わりはじめます。
「ありのままの自分で応援される」、こんなに気持ちよかったんだ。
その実感を、きっと得られるはずです。
遊び心のある反応型の人にはあえてこんな言葉で言いましょう。
「自分のしたいことを直接言っても言わなくてもどっちでもいいけど、すっと言って早く願いをかなえるゲームをするのも楽しいよ!」
あなたの幸せを心から応援しています。
6つの適応型タイプ
※これは人格適応論による6つの適応型です。人格適応論はポール・ウェア、テイビ・ケラーによって開発され、ヴァン・ジョインズによって発展した理論です。ここでは、専門用語を使わずわかりやすく表現しています。参考文献「交流分析による人格適応論」(誠信書房2007)
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柘植かおり|プロフィール
「自分らしく生きたい」と願うあなたへ。心理カウンセラーの柘植かおりです。幼い頃から自己否定に苦しみ、自分じゃない誰かになろうとしていた過去。そんな私が心理学と向き合い、「私」を取り戻すまでの道のり、そしてカウンセラーとして、あなたが心の奥にある本当の願いを叶えるお手伝いをしたいという想いをお伝えします。生きづらさや自己否定は、あなたの深い愛の証。温かく、そして実践的に、あなたが自分らしく根を張り、この人生を心からの喜びで満たせるようサポートいたします。