人からの頼み事やお願い事が断れなくて、嫌なのに引き受けてしまう、そんなことはありませんか。
・仕事を頼まれると断れない
・誘われると断れない など
他人からのお願いや頼みごとが断れないという人は、相手の期待に何とか応えようと頑張る人です。
断るのは申し訳ないと思っていたり、自分を優先するのはわがままだと感じていたり。
頼まれると、自分がちょっと無理をすればいいのだからと我慢してきた。
内心「嫌だなぁ」と思っていても、笑顔で「大丈夫です」とこたえてきた。
そうすることで、なるべく人間関係を穏やかに維持しようとしてきたんですよね。
けれどもいつでも相手を優先していると、ストレスが積み重なって苦しくなってしまいます。
断ることは人を否定することになるという感覚
そして、断るのが苦手な人は、逆に人に頼むことも苦手だったりします。
人に頼んで断られると、ものすごく傷つきます。
変なことを言ってごめんなさい、私面倒くさい人になってる?、すごく嫌がられてるかも…。
そんな風に思われるなら1人でやった方が気楽だし、自分が大変なだけの方がマシ。
断られると、自分自身が否定されたように感じるんですよね。
もしかしたら過去に、
自分がしたいこと、したくないこと、ほしいこと、ほしくないこと、
そういう自分の気持ちを認めてもらえず、自分が否定されたように感じた経験があるかもしれません。
もっと自分のことを大切にしてほしかった。
自分を否定しないで欲しかった。
自分の気持ちを尊重してもらえなくて、自分が愛されていないように感じて、ものすごく寂しくて傷ついたことがあったかもしれません。
だから人の頼みを断ると、その人を拒否することになるんじゃないかと思って不安になる。
断るとその人をひどく傷つけることになって、関係にも影響すると思うとできなくなる。
断ることと自分の拒否された思い、それがつながっているのかもしれません。
いつも断れないでいるとストレスに
断ることは悪いこと、人間関係をギクシャクさせること。
そんな思いがあると、断るには相手も納得するような正当な理由がないといけないと思ったり、そうでなければ申し訳無いように感じます。
自分の時間、都合、気分、疲れ具合、そういったものをだた優先することには、抵抗があるんですよね。
相手のわがままは聞くけど、自分のわがままを通してはいけない。
自分の方がたくさん期待に応えるのが当然だという思いがあるかもしれません。
けれども、ずっとその前提で過ごしていると、だんだん不満を感じるようになります。
「いつも自分ばっかり」
「たまには空気読んでくれたっていいのに」
―でもそんなこと考えるなんて、自分は心が狭いのかなあ…。
いいえ、そういった気持ちは当然起こりうる気持ちですし、不公平だと感じられている証拠です。
心がアラームを鳴らしてくれているのですね。
自分がどうしたいのかは、表現しないと相手に伝わりません。
断らないと相手は問題ないと思い、今後も同じようなことが続く可能性もあります。
なんとなく察してもらおうとしても、それが理解されないと余計ストレスになります。
いつか気持ちが爆発してしまうことにもなりかねません。
自分の気持ち、今よりも一段大切にしてみましょう。
断るのは自分を大切にする「スキル」の1つです。
まずは軽いことから断ってみる
ところで、頼まれごとには色々なものがありますよね。
ちょっとしたことから、深刻な相談まで様々です。
断ることが苦手な人は、期待に応えようと頑張って力が入り、頼まれごとを深刻にとらえて、ちょっとしたことでもなかなか気軽に返せないのではないでしょうか。
例えばですが、私たちは日々あいさつを交わします。
「よ!」と言われたら「よ!」と気軽にあいさつしますし、
「この度は誠にありがとうございます」と深々と頭を下げられたら、「いいえ、こちらこそお役に立てて光栄です」と頭を下げてあいさつします。
もちろん相手との関係性にもよりますが、相手のその時の気持ちの重みに合わせて対応することが多いのではないでしょうか。
頼み事も同じです。
時には相手が、ノリで、軽く、やってもらったらラッキー、くらいに思って頼んでくることもありますよね。
そんな風に「おねがーい☆」と頼まれたものを「むりだよー☆」と軽く返してもいいのです。
何となくで頼まれたものを、何となくで断ってもご愛嬌です。
相手の言葉は強制ではありません。
断るスキルを身につけるには、まずは軽い頼まれごとを、さわやかに軽く返すことから始めてみるのがいいかもしれません。
小さなことでも、断り言葉に慣れることで、抵抗感が減っていくと思います。
自分も相手も尊重するということ
でも、実際どのようなものであっても、あなたの都合、気持ちを大切にしていいんです。
誘われて、予定はないけど家でのんびりしたいからと、それを断る理由にしてもいい。
でも自分を優先して、相手が怒ったり関係が悪くなったらどうしよう。
そう思うと、断ることが怖くなるかもしれませんね。
どうしても、スキルはすぐには身につきません。
少しずつ慣れていって、実際に「出来ません」「だめです」「引き受けられません」と言葉にして断る体験を積み重ねていくことで、だんだん身についていきます。
そうしていく中で、相手の反応を見て、自分らしい言い方や表現が自然とできるようになっていきます。
「自分が断ったら関係が終わるかも」、そういうい思いが湧いて来た時には、断っても相手の否定ではないということを思い出してくださいね。
断るということは、
「相手に否定を伝えること」
ではなくて
「私が事情を伝えること」
です。
そして、どう心を尽くしても、相手がネガティブな反応をすることはあります。
自分が気持ちを表現する自由があるように、相手にもその自由があります。
自分のできることは、自分の気持ちを表現することと、相手の反応を尊重する気持ちを持つこと。
機嫌を直すことは出来ません。
そこに関わると、たとえ最後に相手の機嫌がよくなったとしても、支配・コントロールの関係になり、心地よい関係からは遠ざかります。
自分の事情を伝えて、お互いに気持ちの良い関係が築けるとハッピーですね。
あなたは心の支えになれる人
ここまで色々書いてきましたが、
嫌だと思ったことを全て断らなければいけないわけではありません。
実際に、仕事、人間関係など、断ることが非常に難しい局面もありますし、影響が自分以外に及ぶこともあり、悩ましいこともあります。
断れない時、自分はダメなんだと決めてしまわないでくださいね。
そして時には、
断るのが苦手なお人好しさんが、人の心の支えになることがあります。
例えば、元気のない友人の話に何時間も付き合ってしまったり。
悩んでいる時、心が弱っている時に、一緒にいてくれる誰かがいることは、とても心の支えになります。
そんなのただ断り切れなかっただけ、と思うかもしれませんが、人の気持ちは1つではありません。
相手のためになりたい、ほっとけない、そういう気持ちも確かにあると思うのです。
こういった人が良すぎる行動は、誰もができることではありません。付き合わずにうまくフェードアウトする人もいます。
だから相手も心を動かされるんですね。
「ありがとう」「心に染みる」
心からの感謝や信頼感が芽生える。
それはあなたの素晴らしさの1つです。
断るのが苦手というそのあなたの一面は、あなたの弱さでも強さでもあります。
そういう誰かの心の支えになるような人の良さもありつつ、そして自分のためにストレスをためすぎないよう、時には断るスキルを使ってみる。
自分の心の状態に合わせて心地良いなと思えるバランス、整えていけるように願っています。
そして苦しい時は一人で抱え込まないでくださいね。
あなたの幸せを応援しております。
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