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完璧主義をやめた方がいい?完璧主義は幸せから遠のく?

みなさま、完璧主義な人もそうでない人もこんにちは。

みなさんは完璧主義ですか?

私自身は、多少その傾向はあるけれど普通くらいだろう、と思っていましたが、ある時自分がめちゃめちゃ完璧主義なんだと気づかされました。

自分では当たり前と思っていただけにびっくり。

自分の当たり前や普通って本当に気が付かないものですね。

そしてその完璧主義が私の苦しみの一端になっていたことにも気づかされました。

今は場面によって完璧主義が発動することもありますが、緩めることができるようになってきており、随分ラクです。

そういった経験に心理学的な要素をプラスして、完璧主義について書いていきます。

完璧主義の特徴

○完璧主義の人のプラス面

完璧主義は、理想を追求する人です。完全であることにこだわりがあるので、高いレベルで物事を遂行します。

なので人からは成果を出す人だと信頼されますし、きちんと物事をこなす人だと一目置かれます。

向上心がありので必要なスキルや知識をどんどん身につけていきます。自分で完遂しようとする責任感もあります。

そんな姿に他の人からあこがれられたり、すごい人だと尊敬されることもあるでしょう。

 

○完璧主義の人のマイナス面

完璧主義の人は心が苦しくなります。

ありのままの自分ではいられません。

そして、いつも心が完璧でないと不足を感じているので、なかなか満足することがありません。完璧でない自分を批判します。

どんなに完璧に仕上げても、どんなに完璧に振る舞っても、拡大してみれば隙間や穴があります。

そして完璧主義の人は完璧でなければ我慢できないので、本当に穴がないか細部を拡大して確認するため、結果完璧でないところが見つかってしまいます。

完璧さを追求しすぎて物事が始められないことがあります。

いつも足りない、達成できないことに注目するので、苦しくなります。

完璧主義は幸せを遠ざける?

まず前提として、ここで書く完璧主義は苦しみを伴うものについて書いています。

つまり、完璧でないと不安になったり恐れの感情を感じる、完璧でない人やちゃんとできない人を見るとイライラするなど、という完璧主義にネガティブ感情がセットになっているものについて書いています。

以前の私もそうですが、完璧なことはいいことで、ざっくりその方向性をとらえると「完璧であれば幸せになれるに違いない」と思っているんです。

完璧像は人によって違ってきますが、例えば

「仕事が出来て、誰にでも優しく、穏やかで、上司にも部下にも慕われ、売り上げはトップで、同期の中で一番に管理職に昇進する」

「彼にとって1番の恋人であること、一番の理解者で、彼のことはすべてを知っていて、でも適度な距離感を保ちしつこくせず、怒らず、空気が読めて、いつもオシャレで可愛い姿でいる」

そうであれば自分のことを認められるし、人に認めてもらえるし、人からも愛されて幸せにちがいないと信じています。

容器の淵まであふれるほど水が入っていて、めいっぱいであれば幸せです。

でもちょっとでも中身が減るとすぐに気づいて、いっぱいにしないと気が済まなくなるので、いつも気が抜けません。

いたらないところがないかを常に探すことになります。

自分や他人、物事の不足の部分を常に探すのですから、本当にしんどいです。

私のことですが、
昔、自分に自信が持てるようになりたくて、それには自分を根本から変えてぶれないメンタルを持たないといけない、それには人間的に立派に完璧にならなくちゃいけないんだと考えた時期があります。

自己啓発に興味を持って、嫌な感情を感じる自分はダメだ、イライラや嫉妬、怒りなどすべて解消しなければと、一生懸命取り組んだこともありました。

けれども人は全くネガティブな感情を感じないようにはできません。

でも当時はそういう感情を感じるのは、自分のとらえ方が間違っているし、自分が人として成熟していないからだと思い込み、少しでも自分がマイナスに傾くことが許せないように感じていたんです。

ずっと自分をしんどい状況に追い込んでいたんですね。

そしてそれが意識の高い正しいことだと信じていたんですね。

 

これは、
「完璧であればうまくいく」
「完璧であれば自分は幸せになれる」、
つまり「完璧になるまでは自分は幸せになれない」と自分で自分に魔法をかけている状態です。

自分で自分が幸せになることを禁止してしまっているのですね。

完璧だ、と思えた一瞬は幸せを感じるかもしれません。

けれどもそれは永遠には続きません。

また、足りないものに気が付きます。

完璧を追い求めることで幸せを延期してしまっているんです。

 

でも
完璧でなくても、幸せになってしまっていいのです。

出来ない事や未熟なところ、そんなところがあってもそのまま幸せになってしまっていいんです。

イライラしたり、腹を立てたりすることがあっても、幸せになっていいんです。

完璧を目指すことや、自分を高めようとする取り組みが悪いことなのではありません。

切羽詰まった悲壮感を持ちながら、パーフェクトになるまではと歯をくいしばって、今の自分はダメと否定し続けるという苦しい状態にいなくてもいいんです。

自分の成長を楽しみながら、今すぐ幸せになってしまっていいんですね。

 

完璧主義に自分の存在価値をかけるしんどさ

まぁ、そう言われても、長年の習慣はすぐにはとりやめにできないですよね。

そもそもどうして、結果苦しい気持ちになるのに、完璧主義というやり方を選択してるのでしょうか。

完璧主義は何を表現しているのでしょうか。

 

なぜ完璧主義というやり方をしているかというと、完璧主義というのは自分に〇を出すための条件なんです。

もともと自分に×をつけている人が、自分自身や周りから○をもらうための方法です。

子どもの頃を考えてみましょう。

親から「いつもちゃんとしないとダメ」「人間一度でも間違えたらお終いよ」「100点取らないと意味ないよ」と完璧がいいこと、ちゃんとしてないのはいけないことと教えられると、そうすれば親から褒められ認められ、愛情をもらえるんだと思い、そこに価値を置くようになります。

そして世間からも、なんでもきちんとできる人、ちゃんとした人間、仕事が完璧にできる人、満点、1位、金賞…完璧だということはたたえられます。

 

一方、どんな人でも大なり小なり心の傷つきがあり、その傷つきの深さにより自分の価値を過小評価します。

親から兄弟と比較されたり、友だちに仲間外れにされたり、失敗を笑われたり…
様々な傷つき体験が根拠になって、自分の価値が危機にさらされます。

でも
完璧に仕事をこなし、結果を出せば周囲の人は認めてくれる、
完璧な母親をやっていれば家族から愛される。
完璧な自分なら自分でも〇だと思える。

完璧主義は人からも自分からもOKがもらえる方法だと信じているんです。

 

完璧主義の人には、「完璧でないと許せない」、そんな感覚があると思います。

許せないのは「不完全な自分」。

そういう自分は受け入れられない。

だから、完璧にできないとダメな自分があらわになってしまうようで、不安になったり、怖くなったり、するのです。

だから資料にミスがないか必死に探すのです。
間違ったまま人に提出したら、自分のダメさ加減が露呈するように感じて不安で我慢できないんです。

話相手のちょっとした小さなため息も、自分が悪かったのではないか、自分が面白くないから退屈させたのではないかと、完璧には相手を楽しませられないという、自分の不足を感じると怖くなってしまうのです。

 

なので完璧主義をやめようとしても、それをやめたら自分の価値のなさが前面に出てしまうと思うとやはり不安でやめられません。

「気にしなくていいよー」

と言われても無理なのです。

なにせ自分の根本的な存在価値がかかっているのですから。

 

完璧主義をどう緩める?

では、もう完璧主義はどうにもできないのかというと、もちろんそんなことはありません。

少しずつ行動や考え方を変えていくことで、これでも大丈夫なんだと安心感を積み上げていくことで、変化していくことができます。

けれども、まず、完璧主義が悪いことなのではありませんし、直さなくてはいけない特徴でもありません。

完璧を目指すことが重要である場面もたくさんあります。

けれども、現実的でない完璧さを目指すことで、そこに満たない自分や他人を責めてしまうのであれば、つらくなっていきますよね。

例えば、仕事や学校のレポート、家事や育児。完璧さを追求すればどれだけの時間をかけても足りません。

人間関係、人に与える印象を完璧にする、相手が自分に対して1ミリも否定的な感情を持たないようにする、もうそんなことは不可能です。

けれども、完璧にできない自分ってだめだよね、完璧にできないと非難されるかも、完璧にやらないと自分のことをすごいって認めてもらえないかも、そんな完璧主義にともなう不安や恐れは手放して心をラクにしたいですよね。

 

完璧主義を緩めるアプローチの方法をいくつか挙げてみます。

セルフケアとして自分で出来るものをピックアップします。

「完璧主義を『完璧に』やめないと!」と必死になったり、「完璧主義の自分はよくないんだ」と自分を責めたりしないようにしてくださいね。

自分のパターンを変えて、最後に嫌な気持ちにならないパターンを作ってみましょう。

 

・6~8割出来たらよしとする
(何割できればいいかということよりも、目標を現実的にするということがねらいです。)

・時間を決めて取り組み、時間になったら「まあ、いいか」と言ってやめる
(恐れや不安から行動することを手放してみる。自分のまあいいかの声を聞く。)

・完璧にはできなかったことで自分を責めてしまっている時は、100点から減点していくのではなく、0点からの加点方式、点数を積み上げていく。
(できているところにもスポットを当てる。)

完璧主義を緩めれば、その後に感じるネガティブな感情や自分へのマイナスのフィードバックが減ります。

 

完璧主義の苦しさは、実際に完璧にできれば〇で出来なければ×ということではなく、完璧を目指さざるを得ないような気持ちに突き動かされることや、できない自分を許せないこと、自分を責めたり批判したりしてしまうことです。

だから完璧にやろうとするという特徴自体が悪いわけでもなんでもないんですね。

そうであれば、完璧主義自体を緩めるというより、完璧主義に走ってしまい、ネガティブな感情を持ってしまうというワンセットをそのまま「楽しんでしまう」ということも一つです。

無謀な理想を追いかけて玉砕する自分を「それが自分」と楽しむ、そうすることで自己批判を減らし、自分も受け入れられるようになり、無理もしなくていい。

どういうこと?と思われるかもしれませんが、例えばストレス下になって追い立てられるように完璧主義がむくむくと頭をもたげてきた時に、完璧主義の自分を楽しんだり、面白く受け止めたりするんです。

例えば、面白おかしく心の中で実況してみます。

「おおっと!いつもの完璧ちゃんが登場してきました!焦っております!ひじょーに焦っております!間に合うか!間に合うのか!?…ダメでしたー!残念、ミッションクリアならず!あらー、また私自分がダメと思ってるわw次回に期待!」

「彼の前では完璧な彼女を演じてる私、ふふふ、なんていい格好しいなんでしょ!いじらしいわ!えらい!彼の喜ぶこと頑張ってえらい!しっかし、私もよくここまで完璧にできるわねぇ笑」

こうしていると完璧主義が問題である、という思いが弱まります。

ばかばかしく思われるかもしれませんが、これも1つのアプローチです。

自分がどういう状態かに関わらず自分を楽しむことは、自分を受け入れる、自己受容にもつながります。

別に完璧主義という特徴を持ったままでいいんです。

それもあなたの特徴で長所で短所で、人としての「味」です。

そんな自分をどうぞ責めずに楽しんでみてはどうでしょうか。

 

それから、完璧主義の人は、完璧を目指して悩み苦しむその過程で、自分はちゃんとやっているんだという承認を自分で与えたり、そういう姿を認めてもらう事で他人から承認をもらったりします。

苦しんだりストイックにすることと承認が結びつき、さらに完璧主義が強化されます。

完璧主義を楽しむやり方は、苦しまなくても楽しく過程を進んでもいい、という自分への許可になります。

 

完璧主義のあなたへ。

完璧主義というやり方を採用しているあなたは、とても能力の高い人。

だから完璧主義というやり方を採用したんだと思います。

でもそれで心が苦しくなっているのは、ストレスやプレッシャーなどが自分に向かってきた時に、対処する方法が「完璧にやる」一択になっているから。

なにかあれば条件反射で完璧主義が自分の中で立ち上がるようになっているんですね。

 

完璧にやるのも素敵な方法、1つの手段。

必要な時に完璧主義になり、そうでない時もあってもいい。

条件反射的じゃなくて、「選択的完璧主義」であれば、きっとあなたの心の苦しみも和らいでいくと思います。

応援しております。

 

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